KCGグループは59回目の創立記念日を迎えました

2022年5月1日は京都コンピュータ学院(KCG)・京都情報大学院大学(KCGI)・京都自動車専門学校(KCGM)などKCGグループの59回目となる創立記念日でした。学生,教職員一同がこれまでの教育・研究成果を祝うとともに,建学の精神であるパイオニア・スピリットとKCGの教育理念,今後も進化し続ける情報社会を担う使命などを改めて確認し,さらなる飛躍を誓いました。創立記念日に合わせ5月6日,KCGIの藤原隆男教授が「『常識』のアップデート~間違いだらけの潮汐(ちょうせき)力~」と題して記念講演しました。新型コロナウイルス感染の終息が見通せない中,感染予防のためサイバースペースでの実施でした。

KCGグループは1963年5月1日,京都大学宇宙物理学研究科(宇宙物理学教室)出身のグループにより立ち上げられた,大学の学術研究者対象の「FORTRAN研究会」が礎です。創立者である長谷川繁雄 初代学院長先生と長谷川靖子 現学院長先生がコンピュータの可能性をいち早く見いだし,情報処理技術者を育成しようという信念と情熱,パイオニア・スピリットを抱いてつくった,わが国初のコンピュータ教育機関でした。

1969年には,コンピュータ技術者養成のための日本で最初の全日制学校・京都コンピュータ学院が誕生。その後今日まで発展を続け,これまでに学院を巣立った卒業生は約5万人を数えます。2004年には,わが国初で唯一のIT専門職大学院として京都情報大学院大学が創立されてグループ校に加わりました。それぞれの卒業・修了生たちは,日本と世界のIT産業の牽引,発展に貢献しています。2013年には,京都で最も歴史がある自動車整備士養成校の京都自動車専門学校も,グループの仲間入りをしました。

記念講演で,宇宙物理学が専門の藤原教授は潮の満ち引きの原因である潮汐力を取り上げ,何十年も学校で教えられてきた“潮汐力は月による重力と公転運動による遠心力の合力”は間違いと説明。「遠心力」は「慣性力」としなくてはいけないことを分かりやすく解説しました。そして「常識がいつも正しいとは限らない。教科書も正しいとは限らない」「ネット上の情報は玉石混交だが,うまく使えば真実に近づくことができる」ことを指摘,「何事もうのみにせず,真偽を見極めようとする姿勢を忘れないようにしてください」と話しました。

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〈訃報〉牧野澄夫先生が永眠されました

京都コンピュータ学院で京都駅前校,洛北校,鴨川校の校長を務められた牧野澄夫先生が2022年4月3日,逝去されました。76歳でした。故人のご冥福を心よりお祈りするとともに,謹んでお知らせいたします。

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KCGグループの2022年度入学式をサイバースペースで挙行

動画配信を通じて式辞を述べる長谷川亘KCGグループ統括理事長
動画配信を通じて式辞を述べる長谷川亘KCGグループ統括理事長

京都コンピュータ学院(KCG)と京都情報大学院大学(KCGI),京都日本語研修センター(KJLTC),京都自動車専門学校(KCGM)のKCGグループ2022年度入学式が4月9日(土),サイバースペースで挙行されました。新型コロナウイルス感染予防のため,学内大ホールでの開催を見合わせ,長谷川亘KCGグループ統括理事長と茨木俊秀KCGI学長が,オンライン配信動画を通じ式辞を述べ,新入生を歓迎・激励しました。社会のデジタル化進展に拍車がかかる中,ITの専門知識と高度な技術を修得する強い意欲と,将来の夢実現の希望にあふれる若者たちが,卒業生・修了生を5万人以上輩出するKCGファミリーの一員として新たな学業生活をスタートさせました。みなさん,ご入学おめでとうございます。

KCGグループは新型コロナウイルス感染症のパンデミックが始まった2020年春から,入学式,学位授与式・卒業式をサイバースペースで挙行しています。

日本最初のコンピュータ教育機関として創立されてから59年となるKCGとグループの沿革を紹介するビデオを視聴した後,長谷川統括理事長が式辞を述べました。統括理事長は新型コロナウイルス感染症の拡大防止と新入生・ご家族はじめ関係者の健康・安全を考慮して入学式をサイバースペースで挙行する事情を説明。そして「インターネットの普及に伴い,自分がどの場所にいようと,世界中の人々とコミュニケーションを取ることができるようになっています。みなさんにはぜひ,ITを存分に学ぶことによって,リアルスペースとサイバースペースを自由に往来できる能力を持った,時代の最先端をいく学生になっていただきたい」と求めました。また,KCGの教育理念や,旧来からの学校の既成概念にとらわれることなく常に時代の最先端を意識しながら新しい試みに取り組んできた歴史と実績を紹介し,「将来を見据えながら学生生活を有意義に過ごしていただきたいと思います。在学中に,生涯の宝となるような友達をできる限り多くつくってください。友達同士で励まし合いながら,十分に研鑽を積んでください。そして優秀な先輩たちに続き,自信に満ちた卒業生・修了生となって輝かしい未来を切り拓いていかれることを願っています」と期待を述べました。

茨木学長は式辞で,新学期の授業は対面とオンラインを併用するハイブリッド形式が中心となるとしたうえで,「オンラインと簡単に申しあげましたが,これを可能にするには大変高度なICTが背後にあることを認識しているでしょうか」と問いかけました。そして「みなさんは,ICTに興味をもって本学を選ばれたと思います。強調しておきたいことは,本学はICTのコア部分はもちろん広範な応用分野をターゲットとしていて,そこで活躍できる人材を育てることを目標としていることです。どの分野であっても,ICTの基本的な知識を系統的に学びますが,それに加えて,ご自分が選択した領域については基礎から先端まで詳細な知識を獲得することができます。ICTの進歩はとどまることなく現在も続いています。本学は,先端的な話題も豊富に準備していますから, ぜひご期待ください」と説明。「みなさん方が有意義な学生生活を送り,本学を終えるとき自信をもって巣立つことができるよう,心から願っています」と入学のお祝いを述べました。

続いて,新入生を代表してKCGゲーム学科に入学した安藤さん(京都府立京都すばる高等学校出身)が,「私たちはこれまで電子機器やサービスの使用者として生活をしてきましたが,これからは提供者となり,豊かで明るい社会の造り手になることが目指すべき未来だと考えます。本学において先生方,先輩方のご指導の下,夢や目標の実現,また社会に貢献するため,専門技術や知識とともに『豊かな創造性』を養うことを目指して日々成長できるよう,努力します」と宣誓しました。

動画配信を通じて式辞を述べる茨木俊秀KCGI学長
動画配信を通じて式辞を述べる茨木俊秀KCGI学長

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KCGグループは,学生および教職員の生命・健康を守ることを第一に考え,授業や学校行事をサイバースペースで実施するなど, 新型コロナウイルス感染拡大防止のため最大限の取り組みを続けています。

新型コロナウイルス感染症予防のためのKCGグループの対応 | News | KCG News | 京都コンピュータ学院
https://www.kcg.ac.jp/news/2021/04/47642/

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「GFF AWARDS 2022」でKCG豊田さんが企画部門トップの優秀賞に!

全国の若きゲームクリエイターたちが個性豊かな新しいアイデアにあふれた作品を応募し競う第15回福岡ゲームコンテスト「GFF AWARDS 2022」のゲーム企画部門で,KCGゲーム学科3年の豊田さんの「NEVER HANDS」がトップとなる「優秀賞」を受賞しました。受賞作品のプレゼンテーションが2022年3月26日にYouTubeで配信され,豊田さんは「栄誉ある賞をいただき大変うれしい」と述べました。同部門でゲーム学科3年の早稲田さんの「Gladius War」も「入賞」に輝きました。

「GFF AWARDS 2022」は,株式会社レベルファイブ,株式会社サイバーコネクトツー,株式会社ガンバリオンなどの福岡のゲームソフト制作関連会社でつくる任意団体GFF(GAME FACTORY’S FRIENDSHIP)と九州大学,福岡市による福岡ゲーム産業振興機構が主催,ゲームソフト,グラフィック・アート,ゲーム企画の3部門があり,ゲーム業界を目指す学生が挑戦するコンテストとして業界内で広く知られています。今回は合わせて1,883作品の応募がありました。

ゲーム企画部門446作品のトップに輝いた豊田さんの作品「NEVER HANDS」は,今回のテーマに設定された「つながる」をもとに,彼女を亡くした男性が霊体の彼女を生き返らせるため共に冒険に出るというストーリー。この日の作品紹介で豊田さんは「手をつなぐのが待ち遠しくなるRPG」と説明しました。主催者側は「ゲームらしいリスクとリターンが盛り込まれている素晴らしい作品」と評価しました。

今回受賞した豊田さん,早稲田さんは,本学院の学生がプロジェクト演習などで開発,制作した作品を発表する「KCG AWARDS -学生作品発表会-」の「2021」,「2022」で,他の仲間とチームを組み連続して最優秀賞を受賞,デジタルゲーム(D)学系アドバンスコースの企画設計(プランナー向け)を選択し,各種コンテスト受賞に向けて作品制作を続けています。今回のコンテストで審査員を務めYouTube配信でスペシャルトークショーにも出演した株式会社サイバーコネクトツーの松山洋社長(主催者のGFFメンバー)は,2021年10月開催のKCGオープンキャンパスで講演していただいています。

KCGグループの2021年度学位授与式・卒業式をサイバースペースで挙行しました

動画配信を通じて式辞を述べる長谷川亘KCGグループ統括理事長
動画配信で式辞を述べる長谷川亘KCGグループ統括理事長

京都情報大学院大学(KCGI)と京都コンピュータ学院(KCG),京都自動車専門学校(KCGM)の2021年度学位授与式・卒業式が2022年3月19日(土),サイバースペースで挙行されました。新型コロナウイルス感染予防のため,学内大ホールでの開催を見合わせ,長谷川亘KCGグループ統括理事長と茨木俊秀KCGI学長が,動画配信を通じた式辞で一人ひとりにお祝いと励ましの言葉を贈りました。式典後の祝賀会もオンラインで開催されました。長引くコロナ禍と先行きが見通せない社会情勢下にあっても,確かなITや自動車整備の知識と技術,社会人となる高い資質を身につけた修了生・卒業生たちは,自信を胸に,希望で目を輝かせ巣立ちました。みなさん,誠におめでとうございます。これからのご活躍を心からお祈りいたします。

式辞で長谷川統括理事長は,新型コロナウイルス感染症の拡大防止と,修了生・卒業生やその家族,関係者の健康と安全を考慮し,式典をサイバースペースで挙行したことを説明。続いて「みなさんは本学において,社会の軸となり人々の助けとなるような,ITに関連するさまざまな知識・技術を修得されました。学んだこと,経験したことのすべては,これからの人生において,苦難に立ち向かいながら未来を切り拓くための,確かな指針になることでしょう。IT分野は今後も目まぐるしく進歩すると思いますが,さらにスキルを磨き,より良い社会の実現に向けて貢献していただきたい」と求めました。そして「みなさんは,5万人以上の卒業生・修了生による人的ネットワーク,いわば『KCGファミリー』の一員でもあります。社会のニーズに応える人材を多数輩出してきたKCGグループは,各界から高い評価をいただいています。卒業生・修了生同士の横のつながりのみならず,先輩・後輩の縦のつながりも大切にして,互いに協力し,助け合いながら,人生をより豊かなものにしていただきたいと願っています」と期待を述べました。

茨木学長は,「みなさんは, これから社会に出て活躍されるわけですが, まずこの(新型コロナウイルス)パンデミックを克服するために, いかに貢献できるかが課題になるでしょう。それだけではなく,みなさんが解決を目指さなければならない大きな問題は,この地球上,いくつも待ちかまえています」と,気候変動や人口問題などを指摘。「みなさんは本学で,新しい時代のカギとなる ICTの知識を得ました。力を合わせて,問題解決に向かって,しっかり活動することが求められているのです」と励ましました。そして「我々の社会は,今,変化のただ中にある。変化の時代は,見方を変えると,大きなチャンスが生まれる時代でもあります。ICTの世界は大変変化が速いですから, 本学で得た知識のみに安住しないで, 常に新しい知識を吸収して, ご自分をアップデートすることです。みなさん方が, 時代の変化を見逃さず,やって来たチャンスに積極的にチャレンジし,成功を勝ち取ることができるよう, 心から願っています」と力を込めました。

修了生・卒業生を代表してKCG情報処理科の小菅さんが「私は,声優になる上で必要な基礎を磨くだけでなく,コンピュータの知識もしっかり学ぶことが出来る,この京都コンピュータ学院情報処理科 IT声優コースに入学しました。この2年間で発声,滑舌や演技といった声優として基本的に必要なスキルと,ウェブビジネスやITの活用方法といったコンピュータの知識とを修得することができました。学内で開催されている声優プロダクションのオーディションでは,『特待生合格』という最高の評価をいただき,養成所への入所も決まっています。常に笑顔を絶やさずプロとして大きく羽ばたけるよう全力で努めてまいります。今日という日から 私たちは自ら選んだ道へと旅立ちます」と卒業の辞を述べました。

式典では,優れた学業・研究成果を残し最優秀賞と優秀賞に選ばれた修了生・卒業生が発表されました。それぞれ表彰状と記念品が贈られます。KCGI修了生に授与される「情報技術修士(専門職)」の学位記,KCGおよびKCGM卒業生の卒業証書・称号授与書などは後日郵送されますが,希望者には個別に手渡されます。

式典の後,オンラインで祝賀会が催されました。修了生・卒業生と教職員は,自宅などそれぞれの場所から「祝賀会場」に参加し,笑顔と歓声が広がる中で師弟の懇親を深めました。少人数のグループごとに分かれた会場では,思い出話に花を咲かせ,今後の夢を語り合いました。

動画配信を通じて式辞を述べる茨木俊秀KCGI学長
動画配信で式辞を述べる茨木俊秀KCGI学長

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KCGグループは,学生および教職員の生命・健康を守ることを第一に考え,授業や学校行事をサイバースペースで実施するなど, 新型コロナウイルス感染拡大防止のため最大限の取り組みを続けています。

新型コロナウイルス感染症予防のためのKCGグループの対応 | News | KCG News | 京都コンピュータ学院
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「KCG AWARDS 2022-学生作品発表会-」開催,「ハイレベル」と評価をいただきました

京都コンピュータ学院(KCG)の学生がプロジェクト演習などで開発,制作した作品を発表する「KCG AWARDS 2022-学生作品発表会-」が2022年2月20日(日),新型コロナウイルス感染予防のためオンラインによるライブ配信で開かれ,7グループ・個人がプレゼンテーション形式で成果を披露した結果,ゲーム学科の豊田さん,宮下さん,一井さん,飯田さん,青木さん,菅さん,早稲田さん,鵜尾さん,矢寺さんの9人のチームによる3D弾幕アクションゲーム「A VØID(アヴォイド)」が最優秀賞に選ばれました。豊田さん,宮下さん,一井さん,早稲田さんは2年連続の受賞です。審査員からは「今回も技術力,企画力,プレゼンテーション能力を兼ね備えた作品ばかりで,いずれも完成度が高かった」との評価をいただきました。

2月3,4日に,学生たちがこれまでの学習・研究成果の集大成として作品を仕上げ,プレゼンテーション形式で発表する「プロジェクト演習発表会」をオンラインで開催,作品数は今回が過去最多となりました。その中から優秀賞に選ばれた7作品をこの日,あらためて発表しました。ゲストとして,グループ校の京都情報大学院大学(KCGI)の学生によるマスタープロジェクトの優秀作品の発表もありました。

審査員は,富士通Japan株式会社 京都支社長の尾﨑雄一郎さん,日本電気株式会社(NEC)中央研究所主席技術主幹の中村祐一さん,日本ユニシス株式会社 総合技術研究所二〇四六室長の三浦仁さんと,KCG卒業生でいずれも学生当時「KCG AWARDS」に出場した株式会社サイバーエージェントの岐部龍太さん(ネットワーク学科卒業,2008最優秀賞),アマゾンウェブサービスジャパン合同会社の前田駿介さん(情報科学科卒業,2016最優秀賞),Epic Games Japanの塩谷祐也さん(ゲーム学科卒業,2018出場)の計6名に務めていただきました。審査員のみなさんは,それぞれの作品についての細かい講評やアドバイスをしていただき,学生たちには今後制作活動を続けるうえで,大きな励みになりました。特に「プロダクトの良さを,ユーザーに向けしっかりアピールするよう心掛けてほしい」と技術力と同様,プレゼンテーションの重要さを強調していただきました。

詳しい内容は,「KCG AWARDS 2022-学生作品発表会-」ページに掲載しています。どうぞご覧ください。

KCG AWARDS 2022-学生作品発表会-
https://www.kcg.ac.jp/event/awards2022.html

AWS勤務の卒業生による学内特別セミナーを開催

京都コンピュータ学院(KCG)は2021年12月15日,アマゾンウェブサービスジャパン株式会社(AWSジャパン)に勤務する卒業生の前田駿介さんを講師に迎え,オンライン特別セミナーを開催しました。前田さんは,これまでエンジニアとして携わってきた開発経験,KCG在学中に取り組んだことなどについて触れたうえで,働き始めてからは英語の重要性をより実感する場面が多かったこと,長くこの業界で働くために自身のどのようなスキルを伸ばすかをしっかりと考えて実践してきたことを学生たちに語り掛けました。セミナーでは,前田さん自らが数十年後を見据えたビジョンを描き,それを実現させようと行動している姿が感じられ,学生たちは強く刺激を受けたようでした。

前田さんはKCGコンピュータサイエンス学系情報科学科を卒業後,AWSジャパンにてテクニカルトレーナーを経て,ソリューションアーキテクトを担当されています。在学中はKCG AWARDS学生作品発表会で最優秀賞を獲得し,KCG AWARDS 2021では審査員も務めてくださいました。前田さんが勤務しているAWSは世界トップシェアのクラウドプラットフォームです。コンピューティング,ストレージ,データベースなどのインフラストラクチャテクノロジーから機械学習,AI,データレイクと分析,IoTなど最新テクノロジーに至る多くのサービスを提供しています。

セミナーで前田さんはまず,AWSも該当する「クラウドサービス」について解説。ショッピングサイト「Amazon.com」のブラックフライデーやクリスマスのように,一時的にアクセスが極端に集中するケースがあった場合,仮にAWSなどのクラウドサービスを利用せず,オンプレミス(企業独自に運用するデータセンター)でそのアクセス集中に備えると,サーバ購入から動作まで数週間~数カ月必要で,さらにピーク時以外は過剰な設備となるなどの課題が発生すると指摘。必要なタイミングでリソースが利用できるクラウドサービスが,それらの課題を解決するのにどのように役立っているかなど,丁寧に説明しました。

AWSが提供する200を超える幅広いサービスのうち,90%が顧客からの要望をもとに開発,残り10%も顧客の潜在的な要望を汲み取ったということです。セミナー参加者より,多くのクラウドプラットフォームがある中,AWSが世界トップシェアとなっている要因について質問があり,前田さんは,何かしたいと思ったときに,そのほとんどまたはすべてが揃っているこのサービスの充実度が重要な点となっていると答えられました。

前田さんは現在テレワークが中心とのことですが,必要に応じて利用するAWSジャパンのオフィスについて紹介されました。広いオフィス内にはさまざまなコンセプトの部屋と空間が点在し,さらにボルダリングの壁まであるとのことで,「将来,こういうオフィスでのびのびと働いてみたい」と,学生たちにとても魅力的に映った様子でした。

AWSジャパン オフィス映像:AWS Japan Unveils a New Office & AWS Loft Tokyo
https://www.youtube.com/watch?v=CbplYx4w5uQ

続いて,これまでの開発経験や,KCG在学中のインターンシップやアルバイト,開発関係のコミュニティへの参加などを詳しく紹介しました。学生時代の活動について学生から質問が次々と出され,一つずつ丁寧に答えていただきました。学生にとって目標とする業界・企業・職種で就職することは決して簡単ではなく,そこに入るための努力や準備を続けることが大切ですが,それ以上に「入ってからどうなりたいのか」をイメージしながら,そこに向かって日々の学習や開発に取り組むことが大事だということ。前田さんは今回のセミナーで学生たちにこう語り掛けていたのでしょう。

KCGでは現在,グローバルな視点を学生が持って,英語を使う機会を増やしていけるように,米国の姉妹校であるロチェスター工科大学(RIT)の学生とのオンライン合同イベントを2021年に実施するなど,グローバルな活動を強化しています。
今後も前田さん同様,グローバルに活躍する卒業生を多く輩出できるように取り組んでまいります。

前田さん,貴重なお話をいただきありがとうございました。

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KCGがベトナム企業と提携,通信制学科でIT人材を育成します

調印式に現地参加したVTI,KCG双方の代表者ら(2022年1月12日,KCG京都駅前校)
調印式に現地参加したVTI,KCG双方の代表者ら(2022年1月12日,KCG京都駅前校)

京都コンピュータ学院(KCG)は,ベトナムでのIT人材育成を共同で推進するため,ベトナム・日本のIT業界における大手オフショア開発企業であるVTIグループに所属し同国でIT教育関係事業を手掛けるVTI Education(本社ハノイ)と2022年1月12日,協力協定を締結しました。共同事業での人材教育には,KCGに今春新設される国際応用情報学科(通信制4年)を活用します。わが国初のコンピュータ教育機関で優秀な人材を輩出するKCGとベトナムの大手IT企業の提携により,国際的視野,広範な知識を得て,将来日本と同国の各業界で活躍する高レベルで専門的なIT人材が育つと期待されます。

VTI Educationは毎年,IT分野で活躍できる数千人の学生を育成し,ベトナムおよび海外の企業に卒業生を紹介しています。今回の提携では,学生がまずベトナム国内でKCGの4月にスタートする通信制の国際応用情報学科に入学して勉強し,将来は来日して全日制課程で継続して学び,日本語とITの知識・技術を磨くことを予定。卒業後は日本のIT企業や,日本とベトナム両方で事業展開するVTIへの就職を目指します。

1月12日にKCG京都駅前校で開かれた協定合意文書の調印式には,VTI側から株式会社VTIジャパンのグエン・ハイ・ズン最高執行責任者,KCGからは寺下陽一京都駅前校校長が臨みました。ベトナムからオンラインで,VTI本社およびVTIジャパンのチャン・スアン・コイ最高執行責任社長(CEO),VTI Educationのグェン・クェット社長が参加しました。寺下校長が「勤勉さで有名な国の若者たちの教育事業に参画することになり,非常に光栄で,教育者としてやりがいのある仕事と感じております」とあいさつ。クェット社長は「この国際人材教育事業にて学生を育成することにとどまらず,将来的に京都コンピュータ学院のオープン大学になることを目指していきたく思っております」とあいさつしました。

KCG新設の国際応用情報学科では,最新の学習管理システムを利用し,世界中の好きな場所から好きな時間に学ぶことができます。卒業すると大卒と同等の「高度専門士」号が取得でき,さらに高度な知識と技術を学ぶため京都情報大学院大学(KCGI)に進学する道も開かれています。KCG・KCGIは大学と企業の連携(大社連携)という新たな視点で通信教育を展開しています。

KCGグループは海外での教育ネットワーク拡大と充実を図っています。ベトナムとの交流も活発で,KCGIは2005年1月に大手のソフトウェア会社FPT社と業務提携締結,2014年4月にFPT大学(FPTU)と,2019年12月にハノイ国家大学工科大学(VNU-UET)と,2020年4月には国立フエ大学(HU),国立ダナン大学(UD)と大学間交流協定や学術共同計画協定を締結。同年6月にはKCGとKCGIがハノイ国家大学人文社会科学大学(VNU-USSH)と大学間交流協定を結んでいます。

調印を終えた株式会社VTIジャパンのグエン・ハイ・ズン最高執行責任者とKCGの寺下陽一京都駅前校校長(2022年1月12日,KCG京都駅前校)
調印を終えた株式会社VTIジャパンのグエン・ハイ・ズン最高執行責任者とKCGの寺下陽一京都駅前校校長(2022年1月12日,KCG京都駅前校)
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伊藤博之KCGI教授がオンライン特別講義「初音ミクから学ぶデジタルコンテンツの可能性」

「初音ミクから学ぶデジタルコンテンツの可能性」と題したクリプトン・フューチャー・メディア代表取締役・伊藤博之KCGI教授のオンライン特別講義。(2022年1月14日)

「初音ミク」は2007年8月31日に誕生したバーチャルアイドルです。歌詞とメロディを入力すると音声合成で歌ってくれるソフトウェアであり,身長158センチ,体重42キロ,16歳の人気「キャラクター」です。国内外でライブコンサートが開催され,日本文化を世界に発信するクールジャパンの象徴的存在になっています。

伊藤教授は「初音ミクから学ぶデジタルコンテンツの可能性」と題した講義で,クリプトン社の事業を紹介したうえでコンピュータ・ミュージックの基礎を解説しました。そして「コンピュータにインストールして使うソフトウェア化された楽器のことをバーチャル・インスツルメント(仮想楽器)といいます。『初音ミク』は歌声のバーチャル・インスツルメント。ヤマハのボーカロイド技術を使って開発しました。当社がやるまで全くなかった試みで,キャラクターを付けて出しました」と説明しました。

キャラクター化が奏功し,音楽だけでなく「初音ミク」のイラストやCG,コスプレなどを創作してインターネットに投稿する人たちが次々に現れ,創作の連鎖が世界中に広がりました。伊藤教授は,「『初音ミク』をキャラクターとして使いたいという要望が非常に高くなり,権利をどうスムーズにクリアするかということに本社も取り組んでいかざるを得なくなりました」と明かし,権利処理のためライセンスを公開するとともに,コンテンツ投稿サイト「piapro(ピアプロ)」を開設して,創作が生まれやすい環境を整えた経緯なども詳しく述べました。

「初音ミク」は誕生から14年が経ち,大勢のクリエイターによる二次創作・三次創作の結果,歌や音声にとどまらず,ダンスや動画,コスプレ,フィギュアなどへとその表現方法が広がりました。ファッションやオペラ,ロボット,ゲーム,和太鼓,テレビの人気アニメキャラクターとのコラボレーションなどのほか,グッズ展開も拡大が続いています。伊藤教授は「コンテンツは,使えば使うほど価値が増える法則がある。いかにいろんな人に使ってもらうか,コラボレーションしていくかは,すごく大事なことだと思っています」と語りました。

コロナ禍にあっても「初音ミク」は活躍中です。公演やイベント出演がめじろ押しで,2013年から毎年開催されている3DCGライブと創作の楽しさを体感できる企画展のイベント「初音ミク『マジカルミライ2021』」は2021年10月22日〜24日に大阪市,11月5日〜7日に千葉市で開催されました。9月には,2年ぶりに京都南座で中村獅童さんと共演する「超歌舞伎」を上演しています。海外版マジカルミライともいえる「MIKU EXPO」は,2020年4月から5月にかけアメリカとカナダの12都市で公演予定でしたが,新型コロナの世界的感染拡大のため2度延期の後,中止に。しかし,2021年は「MIKU EXPO 2021 Online」として6月6日にオンライン開催,世界に配信されました。商品展開も相次いでおり,ソニーがワイヤレスイヤホンに「初音ミク コラボレーションモデル」を追加,ティアックは初音ミクデザインのBluetooth搭載ターンテーブルを2022年3月に発売します。明和電機は音符の形をした電子楽器の「初音ミク」バージョンを出しました。

伊藤氏は,2013年4月にKCGI教授に就任しました。同年秋には国際的な活動と技術革新が認められ,藍綬褒章を受章しています。KCGIとKCGには相互に授業を聴講できる仕組みがあります。KCGIのコンテンツビジネス関連を学ぶ学生だけでなく,KCGのアート・デザイン学系,デジタルゲーム学系,コンピュータサイエンス学系情報処理科IT声優コースなどコンテンツ関連の学生たちも,伊藤教授の取り組みから多くを学ぶことができます。

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