京都コンピュータ学院(KCG)は2021年6月23日,株式会社バンダイナムコアミューズメント クリエイティブフェロー 小山順一朗氏をお招きし,ゲーム業界セミナーを開催しました。
小山氏は「アイドルマスター」「太鼓の達人」「釣りスピリッツ」をはじめ,VRアクティビティ体験施設「VR ZONE」「MAZARIA」にて設置された「ハネチャリ」や「釣りVR」など最先端のVRアクティビティコンテンツを含め,これまでに100タイトル以上の開発に携わってこられました。
今回はその数多くの開発経験をもとに,「成功商品コンセプト理論」と「VRエンタメで得た知見」をテーマにお話しいただきました。
まずは「商品コンセプト」について,アイデアとベネフィットに切り分けることの重要性を,誰もが知っているタイトルのコンセプトを事例にしながら詳しくご紹介いただきました。
学生達にとっては,遊んだことのあるゲームが事例として紹介されたことでイメージがしやすく,アイデアとベネフィットの切り分け,コンセプトの言語化を丁寧に行い,そこを目指して協力して開発を行うことがいかに重要であるか理解しやすい切り口からのお話でした。またゲーム開発に取り掛かる前の「コンセプト開発」自体に多くの時間を使っている点に注目している学生も多く,ゲームを遊ぶ際に自分がどう遊びどう感じたかはもちろんのこと,他の人がどのように遊んでいるのかを普段から注目していきたいと話すなど,早速学んだことを生かそうとしていました。
また今回,「VR ZONE」でのアルバイト経験がある学生が複数いること,また本学がVR機器を約40台導入し,希望する学生に貸し出しを行っているなど,VRに強い関心を持つ学生がいることをお伝えし,VRアクティビティ開発をテーマに追加していただきました。VRにおいては先ほどの「コンセプト」に加えて,その空間に自分が生きているかのような「実在感」を与えられるかどうかが重要で,こちらも開発された数々のアクティビティにおける成功・失敗の事例を惜しみなくご紹介いただきました。
ほんの少しの違いでプレイヤーが感じる「酔いやすさ」や「面白さ」がガラッと変わる点に驚いたとの感想が多く寄せられていました。
「小山さんはゲームをつくることも,つくったゲームのことも大好きなんだなと伝わってきました」。
この感想が全てを表すように,ゲーム制作における辛かった失敗も,そして苦労の末の成功も,全てをとても楽しそうに話す小山氏の姿は,業界を志す学生達にとってゲームをつくる面白さと向き合い方を深く学ぶ機会となりました。
小山様,貴重なお話をありがとうございました。