情報考古学の分野で優れた研究成果を収め発展に寄与したとして,KCG情報工学科を1985年3月に卒業した木村寛之さん(株式会社イビソク=岐阜県大垣市=勤務)がこのほど,研究グループ・日本情報考古学会(事務局・京都府京田辺市)より「堅田賞」を受賞しました。岐阜経済大学の杉原健一 経営学部教授との共同受賞です。木村さんはKCGで学んだコンピュータ技術を駆使し現在,同社で文化財コンサルタント事業部文化財整理所所長(技術担当:GIS・3Dレーザー計測・CG)を務めています。今回の受賞については「今後も技術を磨いて研究を重ね,情報を生かした考古学の発展に役立っていきたい」と喜びを語っています。
木村さんと杉原教授は共同で,2007年度より「3次元モデルを用いた考古学研究,遺跡復元,まちづくり支援システム」の研究を進め,奈良時代に栄えた「美濃国分寺」(岐阜県)の復元に取り組んできました。木村さんは,作成モデルの文化財的な検証と業務での実証実験を担当。同年秋にはその基礎技術にあたる部分の研究成果を,同学会の第24回大会で発表しました。
その研究成果の功績が評価され,2009年5月30日に共立女子短大(東京・千代田区)で開催された日本情報考古学会2009年度総会・第26回大会の席上で「堅田賞」を受賞しました。
木村さんは考古学における情報の活用について「今回の研究ではCGを使って古代のまちなみが再現できた。今後は統計学の活用による分析など,まだまだ可能性を秘めていると思います」と話しています。