京の町家を守りながら伝統的な暮らしを伝える田中峰子さん(株式会社 冨田屋 代表取締役社長)による講演会「情報化社会と伝統文化」が11月9日(金),文部科学省「教育・文化週間」推奨行事・京の府民大学対象講座としてKCG京都駅前校6階ホールで開かれました。田中さんは日本の伝統行事を紹介しながら「ITの分野のみならず,新しいことに挑戦するときには必ず歴史を学んでください。必ずヒントが隠されていることでしょう」と強調しました。
講演で田中さんは,「正月」「鏡開き」に始まる年中行事を詳しく解説。行事や季節を飾る「しつらえ」についても説明しました。行事が姿を消し,忘れられつつある現状を憂い,「ITを勉強し,その世界で活躍されていくみなさんは,ぜひとも日本が誇る伝統文化を知り,守っていっていただきたい」と話しました。
田中さんが守り続ける呉服商を営む町家「冨田屋」(とんだや:京都市上京区大宮通一条上ル)は約130年前に建造されました。京町家の中でも西陣の商屋特有の様式を残しているのが特徴です。1999年に国の登録有形文化財,2007年には京都市景観重要建造物に指定され,現在「西陣くらしの美術館」として公開し,伝統行事を営んでいます。田中さんは京都商工会議所女性会理事,国際京都学協会常務理事町など,数多くの要職に就いています。
文部科学省は,教育・文化に関する国民の理解を深め,その充実振興を図ろうと,文化の日(11月3日)を含む1週間(11月1日~7日)を「教育・文化週間」と定め,同週間と前後2週間程度を含む期間の施設の無料開放や,公開講座・講演会など関連行事開催を推奨しています。京都情報大学院大学(KCGI)とKCGもその趣旨に賛同し,各種推奨行事を開催しています。