京都情報大学院大学(KCGI)で教壇に立つウクライナ出身のウラディーミル・ミグダリスキー教授と母のビクトリア・ミグダリスカ教授が日本で出版した「ウクライナ避難民とコミュニケーションをとるためのウクライナ語会話集」が,同国の2024年全国コンクール「The Ukrainian Language is the language of unity(ウクライナ語は団結の言語)」で,「IN SIGHT OF THE WHOLE WORLD」に認定され,このほど両教授に賞状が贈られました。賞状でthe National Union of Journalists of Ukraine(ウクライナ全国ジャーナリスト連合)は2人をそれぞれ「ウクライナ語-日本語会話集の作成および出版に尽力したことを認め,誇りに思います」とたたえました。
「会話集」は,2022年2月のロシアによる侵攻を受けて日本に避難したウクライナ人などのために,日本語とウクライナ語を併記した日常会話集で,同年7月にドニエプル出版・新風書房より出版(ISBN:9784882699231)されました。46ページの本書には日ごろのあいさつなど,よく使われるフレーズが両国語のほかローマ字でも記述されています。
ミグダリスキー教授は,オデーサ国立大学で修士号,京都大学で博士号を取得した情報学者。京都大学特任講師などを経てKCGI教授に就任しました。数値解析や日本語・ロシア語教育法などが専門分野で,KCGIでは「応用情報技術のための数学」「ITのための統計学」などの科目を担当しています。
ミグダリスカ教授は,オデーサ国立大学上級日本語講師を務めるなど長く日本語教育に携わり,2017年には日本国外務大臣表彰を受けました。ロシアのウクライナ侵攻後,次男のミグダリスキー教授がいる京都に避難,KCGI教授となりました。「ICT実践コミュニケーション」を担当するとともに,ウクライナからの避難民受け入れに協力する自治体などで講演を続けています。