京都情報大学院大学(KCGI)の眞弓浩三教授(専門分野:エネルギー分析・生物経済学・認識論)と,スペイン・バルセロナ自治大学の研究者アンセル・レナー氏との共著による経済書『Reconsidering the Privileged Powers of Banks(銀行の特権的権限の再考~持続可能性のための国権貨幣・富・実物資本の基礎)』がこのほど,イギリスのパルグレイブ・マクミラン(Palgrave Macmillan)社から刊行されました。
内容は「商業銀行が持つ特権的な力,すなわち,何もないところから貨幣を創造し,その貨幣に利子をつけて増大させる特権を再検討しています。この二つの特権は,熱力学の第一法則と第二法則に反するものです。貨幣・富・実物資本の二重性,言い換えれば,これら3つの実体は,個人の豊かさを示す反面,社会全体の資源物理学の観点からは負債であるという新しい視点でみることが必要です。責任ある開発の道を歩むあらゆる社会のために,貨幣・富・実物資本のまったく新しい基盤を提案しています」と紹介されています。眞弓教授は「貨幣論の本なので,どなたにも興味を持っていただける内容です」と話しています。
眞弓教授は2020年に『Sustainable Energy and Economics in an Aging Population -Lessons from Japan(高齢化社会における持続可能なエネルギーと経済~日本からの教訓)』をドイツの出版社から刊行するなど多くの著書があります。KCGIでは「ビジネスエコノミクス」「ITのための統計学」などの講義を担当しています。