日本最初のコンピュータ教育機関 京都コンピュータ学院(KCG)創立60周年,日本最初のIT専門職大学院 京都情報大学院大学(KCGI)創立20周年の記念式典が2023年10月6日(金),KCG京都駅前校・KCGI京都駅前サテライト大ホールで盛大に開催されました。産官学の関係者や校友,在学生ら国内外から大勢のご臨席をいただきました。式典では60年にわたるKCGグループの歩みを振り返るとともに,次なる節目100周年に向け,これまで以上の情熱を持ってわが国のIT教育を牽引していく決意を新たにしました。式典に続き記念講演会があり,その後リーガロイヤルホテル京都で開かれた祝賀会は,著名シンガーのライブパフォーマンスなどで華やいだ雰囲気に包まれました。
記念式典は,KCGグループ60年の歴史を紹介するオープニングムービー「Link to the Pioneer Spirits」で幕を開けました。ムービーで使われた曲は,ニッツア・メラスKCGI教授がKCG60周年のために作曲。カナダ・モントリオールを本拠地に世界で活躍するシンガーソングライターで,シルク・ドゥ・ソレイユのメインボーカリストを務めるニッツア・メラス教授は,KCGグループで舞台芸術関連の授業などを担当しています。
冒頭,長谷川亘KCG・KCGI・京都自動車専門学校(KCGM)理事長・総長が式辞を述べました。長谷川総長は,KCGグループの歴史を振り返り,現在のデジタル社会における本学の取り組みを紹介した後,「今日までの60年という歴史の中で,多くの方々から温かいご支援とご理解をいただきましたことを,私ども一同深く感謝いたしております。日本最初のコンピュータ教育機関,日本最初のIT専門職大学院を生み出した本学のパイオニアスピリットを,在学生,卒業生,修了生,教職員が継承し,5万人を超えるKCGファミリーに息づく先見性とチャレンジ精神を各々の分野で輝かせることが,次の時代の礎になると確信しております」と結びました。
祝辞は,本学が海外コンピュータ教育支援活動(IDCE)でパソコン寄贈,IT教育支援を実施したガボン共和国特命全権大使のジョゼフ・ジロ・エファンゴン・オバゲ閣下,パプアニューギニア独立国特命全権大使のサミュエル・アバル閣下(ビデオメッセージ),続いて京都府副知事の山下晃正様,京都大学理事・副学長の引原隆士様,大阪大学総長の西尾章治郎様,一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会(JMOOC)理事長で元早稲田大学総長の白井克彦様,一般社団法人情報処理学会会長の森本典繁様よりいただきました。最後にKCGIの富田眞治学長が謝辞を述べました。
記念講演会では,前国連 IGF(Internet Governance Forum)*事務局長で元 ICANN (Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)*理事のマーカス・クマー氏が「インターネット・ガバナンスからグローバル・デジタル・コンパクトへ」の演題で話しました。また,ICANN*理事のアヴリ・ドリアさんが「マルチステークホルダー・モデルの理解と教育」と題して講演しました。
お二人は日本で初めて京都市内で開催される国連主催国際会議「インターネット・ガバナンス・フォーラム京都2023(IGF Kyoto 2023)」(10月8日~12日)に参加する主要メンバーです。本学がインターネット黎明期よりの中心的存在であることから,講演が実現しました。
会場をホテルに移しての祝賀会は,長谷川総長があいさつした後,自民党政務調査会長代理で参議院議員の西田昌司様が祝辞。国立研究開発法人理化学研究所情報統合本部本部長の美濃導彦様の乾杯の発声で,祝宴が始まりました。出席者は飲食を交えて和やかに歓談しました。この日の記念式典のオープニングムービー曲を手掛けたニッツア・メラスKCGI教授が,ライブパフォーマンスで祝賀会を盛り上げました。最後に富田眞治KCGI学長が,謝辞を述べました。
ご臨席いただいた皆さま,ありがとうございました。
◇ ◇ ◇
1963年,京都大学近くでコンピュータの研究会「FORTRAN研究会」が発足して,「電子プログラミング講習会」を開催しました。これが日本で初めての民間におけるコンピュータ教育であり,KCGグループとしての活動の第一歩です。その後,講習会は対象を拡大し,1969年8月,日本最初の全日制コンピュータ教育機関である「京都コンピュータ学院」が誕生。また,2004年に日本最初のIT専門職大学院である「京都情報大学院大学」をグループ校として開学,2012年には札幌と東京に大学院サテライトも開設しました。さらに2013年には,京都で最も歴史と伝統がある「京都自動車専門学校」がKCGグループに加わりました。
KCGグループはこれまで,本学のアイデンティティであるパイオニアスピリットを常に発露しながら,発展著しいIT分野において,時代が求める人材の育成に努め,業界を担う多くの情報処理技術者を育成し,5万人以上の卒業生を輩出。また海外教育機関などとのネットワークを構築するなど,地道ながら着実に前進してまいりました。
60周年という節目にあたり,今日まで支えてくださった多くの方々に深い感謝の意を表する次第です。大きな節目をさらなる飛躍のスタートとして,関係業界をはじめ,各界の期待に応えられるよう,より一層の発展を誓い,次なる時代に向け在学生・卒業生とともに新しい地平を開いていく所存です。
*京都コンピュータ学院は1995年にインターネットのドメイン名(kcg.edu)を取得しました。「.edu」は,gTLD(generic Top Level Domain:インターネットで使われるトップレベルドメインのうち,分野別トップレベルドメイン)の一つで,米国の認定機関から認められた高等教育機関のみが登録対象です。本学はインターネットの黎明期から,その発展と運営の中心的立場にいたわけです。そして現在,本学は国際的なドメイン管理団体であるICANNの承認を受け,地理的名称トップレベルドメイン「.kyoto」の管理運営を行っています。
国連が主催する「インターネット・ガバナンス・フォーラム京都2023(IGF Kyoto 2023)」は,インターネットに関するあらゆる課題について,たくさんの関係者が対等な立場で対話するインターネット政策の分野で最も重要な会議の一つです。2006年以降毎年開かれていますが,日本での開催は初めてです。本学は,日本で初となるSchool on Internet Governance(SIG)事務局を学内に設置し,IGF Kyoto 2023開催に合わせた関連イベントかつ創立60周年記念行事の一環として,さまざまな方面からインターネット・ガバナンスについて考える「SIG Japan」を催しています。