京都コンピュータ学院(KCG)の創立者で初代学院長 長谷川繁雄先生の命日である「閑堂忌」の7月2日,KCGグループでは菩提寺である百萬遍知恩寺での学生たちの墓参やKCG京都駅前校・KCGI京都駅前サテライト大ホールでの記念講話,学生有志らによる模擬店出店など各種催しが執り行われました。長谷川繁雄先生は1986年7月2日に 56歳でご逝去され,今年で没後32年,33回忌に当たります。KCGでは毎年,この日を閑堂忌として,情報処理技術教育のパイオニアとして尽力された長谷川繁雄先生のご遺徳を,学生全員と教職員が偲んでいます。「閑堂」とは長谷川繁雄先生の雅号で,「世俗から離れ,瞑想にふける閑静な空間」を意味しています。
記念講話は,情報工学科の学生時代から長谷川繁雄先生から指導を受けていたというKCG教職員(総務部長)の岸本詳司先生が担当しました。「長谷川繁雄先生は高校卒業以来,今日に至るまでの私の人生を導いてくださった唯一の師でありました」という岸本先生は「先生はコンピュータに人類史変革の可能性を見いだされ,学歴偏重主義を全面否定し,いかなる資本・権力からも独立した他には存在しない,他人ではつくることができない理想の学校創造を追求されていました。『事情があって,大学へ行かない子,いやそれ以上に,自覚的に大学へ進まない子を教育するんだ。その子たちを,大学へ進んだ者と肩を並べて,それどころか,それ以上の人間にして世の中へ送り出すんだ』ともよく言われていました」と紹介。長谷川繁雄先生のお人柄として「情熱にあふれ喜怒哀楽を隠さず,とても人間味のある方でした。嘘をつくことは最も嫌われた」とし,「本物の技術者を養成するため自らがお金を投じ,全国のどの大学にもなかった大型コンピュータの導入を実現,実習機器として学生に開放しました。志を同じくする者には分け隔てなく,等しく学ぶ機会を与えてくださった。閑堂忌を機に,長谷川繁雄先生の思いをKCGグループ全員であらためて共有したいと思います」と締めくくりました。
記念講話前後に,学生と教職員はバスで百萬遍知恩寺に移動し,長谷川繁雄先生の墓標に静かに手を合わせて,先生のご冥福とKCGグループのさらなる発展を祈りました。模擬店では,教職員が長谷川繁雄先生が好物だったというアンパンを販売したほか,手作りの焼きそばやベビーカステラ,留学生と職員によるベトナム料理などが並び,行事に活気を添えていました。KCG保護者会から学生たちに購買用のチケットがプレゼントされました。