京都市立日吉ヶ丘高校で特別講座「魔法と情報学」を実施

手品を披露しながら人間の認知を利用したプログラミングの工夫について講義する前納先生(2024年10月31日,京都市立日吉ヶ丘高校)
手品を披露しながら人間の認知を利用したプログラミングの工夫について講義する前納先生(2024年10月31日,京都市立日吉ヶ丘高校)

京都コンピュータ学院(KCG)・京都情報大学院大学(KCGI)が,ITサービス大手のBIPROGY株式会社と共同で設置している創造的プロジェクト「未来環境ラボ」の活動の一環として,2024年10月31日,京都市立日吉ヶ丘高等学校で,未来環境ラボの前納一希先生による「魔法と情報学」の特別講座が行われました。生徒たちは,手品という切り口から人がストレスを感じない情報の扱い方を考えるという斬新な試みに,ワクワクしながら取り組みました。

特別講座は,日吉ヶ丘高校の情報担当の先生と未来環境ラボが企画。今までにない情報・プログラミングを学ぶ魅力の入り口を模索する高校側が未来環境ラボのメンバーに相談し,KCGコンピュータサイエンス学系でプログラミングを教える前納先生が,特技の手品を活かしたコンテンツを作成して実現しました。

講座では,まず手品を実演してトリックの理屈を説明。そこから人間の認知について学び,伝わりやすく使いやすいプログラムにするためには,人間の特性を把握し情報を伝える工夫が必要だと投げ掛けました。生徒たちは実際にプログラミングに取り組みながら,データ読み込みなどの待ち時間をどのように気をそらしたり誘導したりして待ってもらうかを考えました。

生徒たちは「相手に合わせて与える情報を操作することで見ている人を楽しませたりできるのは,すばらしいと思いました」「情報って面白いなぁと思った。身近にあるネット上のサイトやアプリもこういうシステムで動いてるってすごい。できるようになったらかっこいい」「情報学とは直接関わらない日常生活でも今回学んだことが活かせると思う。とても楽しくて時間が過ぎるのがとてもはやく感じました」などと,楽しみながら情報学の世界に興味を寄せていました。

「未来環境ラボ」は,新鮮な発想を持つKCG・KCGIの学生が,教員やBIPROGY社の第一線の研究員とともに,プロジェクトを推進していく産学共同の場です。「世の中にどんな技術があるかを知ればアイデアが湧く」,「アイデアを形にする力も訓練で向上する」と考え,物事をさまざまな観点からとらえ,現在はまだ存在しないものを自分で新たに生み出す経験を積む機会を学生に提供しています。