京都情報大学院大学(KCGI)第4代学長の富田 眞治(とみた・しんじ)教授=京都大学名誉教授=が2024年9月21日,逝去されました。78歳でした。コンピュータアーキテクチャ分野研究の世界的権威で,機械命令レベル並列処理と汎用や専用並列コンピュータに関して先進的な研究をされ,その業績が今日の計算機システムの高速化に大きく貢献された一方,本学では学長として,次代を担うIT分野の高度専門職業人・応用情報技術専門家を育成するための最先端教育の展開をリードされるとともに,その豊富な知識とご経験を活かし専門分野「人工知能」のカリキュラム構築にご尽力いただきました。謹んで哀悼の意を表します。
通夜,葬儀は,近親者のみで営まれたということです。
富田 眞治教授は京都大学工学部卒,同大学院博士課程修了(電気工学専攻),工学博士。京都大学大学院情報学研究科長,京都大学総合情報メディアセンター長,京都大学物質-細胞統合システム拠点特定拠点教授/事務部門長,九州大学教授などを経て京都情報大学院大学教授となり,2018年から副学長,2023年4月1日付で学長に就任しました。
この間,ハルピン工業大学顧問教授,博士課程教育リーディングプログラム委員会複合領域型(情報)委員,IFIP(国際情報処理連盟)TC10委員,情報処理学会理事,情報処理学会関西支部支部長,京都高度技術研究所客員研究部長,京都府ITアドバイザリーボード委員,総合科学技術会議専門調査会委員,京都府情報政策有識者会議委員長,電子情報通信学会フェロー,情報処理学会フェローなど数々の要職に就かれました。
専門のコンピュータアーキテクチャ分野では,先駆的なアイディアを,実機を開発して検証するという研究姿勢が高く評価されたほか,時代に即した新しいシンポジウム・ワークショップの組織化や研究書・教科書の執筆など,この分野の発展と普及にも大きく貢献されました。
気さくなお人柄で人望も厚く,時代の先を読む見識の深さに周囲の研究者や本学学生たちは敬服していました。
心よりお礼申しあげるとともに,安らかなご永眠をお祈りいたします。