日本最大規模のインディーゲームイベント「BitSummit」の出展・運営に協力しました

ボランティアスタッフ・展示で参加した教員・学生の集合写真
ボランティアスタッフ・展示で参加した教員・学生の集合写真

京都コンピュータ学院(KCG)は2022年8月6日,7日の2日間,京都市勧業館「みやこめっせ」で開催された日本最大規模のインディーゲームの祭典「BitSummit X-Roads(ビットサミット クロスロード)」の出展およびイベント運営に協力しました。

BitSummitは,インディーゲーム制作者が出展するだけでなく,任天堂やソニー・インタラクティブエンタテインメント(PlayStation)をはじめ,Cygamesといった多数の企業が協賛し,会場内にブース出展も行われているイベントです。

KCGは今回,学生作品発表会「KCG AWARDS 2022」で最優秀賞を獲得した『A VOID』,そして『天乃糸』の2作品を出展しました。

京都コンピュータ学院 学生作品発表会 KCG AWARDS 2022
https://www.kcg.ac.jp/event/awards2022.html

今回のBitSummitは3年ぶりに一般来場が可能となったこともあり,開場時には3階のイベント会場の外にまで列ができるほど多くの方が来場されました。

会場内は多彩なブースが並んでいますが,その多くは,たくさんの応募の中から審査を勝ち抜いて出展されたタイトルとなっています。このイベントの魅力の一つと言えるのが,数年後にリリースされヒットする可能性があるゲームに早期に出合えて,実際に遊べることです。
『Unpacking(アンパッキング)』や『RPGタイム!~ライトの伝説~』は分かりやすい例と言えそうです。2019年にBitSummitへ出展した際には,両タイトルともに遊びたい人の列が途切れないほどの人気があり,その後もイベント出展等を重ねながら多くの賞を獲得し,2021年~2022年に全世界で発売されヒットしています。さらに集英社ゲームズよりリリースされる『ハテナの塔 -The Tower of Children-』と『ONI – 空と風の哀歌』といった注目作も,今回のBitSummitが世界初の試遊出展となっていました。

会場内のメインステージでは,ゲーム開発者等によるトークイベントやゲーム音楽の作曲者による音楽ライブが開催され,またインフルエンサー配信ブースでは,有名実況者が審査を勝ち抜いて出展されたゲームを実況しながらプレイするイベントが開催されていました。会場内のイベントはリアルタイムおよびアーカイブ配信されていますので,来場者に加えて,会場に来られなかった人も,出展されたゲームの魅力を感じられるようになっています。

BitSummit YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UC7h2CnQen4-7cY0364FT4rg/

会場が盛り上がる中,KCGブースにも順番待ちが度々発生するほど多くの方がお越しくださいました。 また今回,会場内に多数のブースがある中で,KCGデジタルゲーム学系の豊田さんが制作した『天乃糸』が国内最大級のゲーム情報総合サイト「ファミ通.com」より取材を受け,記事が掲載されました。取材後,ファミ通前編集長で現在ファミ通グルーブ代表の林克彦氏も,取材の話を聞きつけてプレイしてくださいました。同作については,企業から家庭用ゲーム機での販売に関する提案をいただき,実現に向けて取り組みが開始されています。

『天乃糸』 敵を奈落の底に突き落として高みを目指す“上昇志向系”アクション【ビットサミット クロスロード】|ファミ通.com
https://www.famitsu.com/news/202208/11271945.html

学生らは様々な困難に立ち向かい,日々苦労を重ねてゲーム制作を行っていますが,今回展示に至った2作品とも多くの方に遊んでいただき,さらに「売っていたら買いたいです」というコメントを何人もからいただくことができました。制作した学生らは素直に喜びながらも,もっと楽しんでもらえるようなゲームを目指して意欲を高めていました。

KCGブースは『A VOID』『天乃糸』の2作品を展示
KCGブースは『A VOID』『天乃糸』の2作品を展示
学生作品を試遊するファミ通グルーブ代表 林克彦氏
学生作品を試遊するファミ通グルーブ代表 林克彦氏

BitSummitでは連携イベントとして,京都・大阪を中心に全国の各学校の学生がチームを組んでゲーム制作を行う「BitSummit Game Jam」が開催され,KCGの学生も多数参加しました。イベントの最後にメインステージで行われる表彰式では,ゲームジャムイベントに参加した学生作品から「ゲームジャム最優秀作品賞」が選ばれ発表されます。

そして今回,KCGデジタルゲーム学系の松尾さんがリーダーを務め,矢寺さん,一井さん,福岡さん,谷口さんらが参加したチーム作品「BUTTERFLY LOOP NIGHT」が最優秀作品賞を受賞し,チームの代表として松尾さんがステージ上で表彰されました。

喜び以上に驚きが大きいと語る松尾さん
喜び以上に驚きが大きいと語る松尾さん
ステージを駆け巡って未来を救う作品が受賞
ステージを駆け巡って未来を救う作品が受賞

BitSummitは「国内のおもしろいインディーゲームを海外に向けて発信していく」というコンセプトのもと,2012年後半に発足して以降,毎年開催されています。現在は海外のおもしろいインディーゲームを国内に発信していくこともイベントの重要な役割となっています。

KCGは第2回から実行委員としてイベント運営に関わってきました。イベント当日の受付,会場内の誘導や問い合わせ対応をはじめ,前日の設営準備からイベント終了後の撤収作業を本学院の教員・学生がスタッフとして協力しています。

今年は過去最多の100名以上の学生がボランティアスタッフとして協力しました。必要人員数を大きく上回る学生が自ら希望してくれましたので,面接を実施して担当者を決定しています。人数の枠がある以上,残念ながらスタッフになれない学生が必ず出てしまいますが,面接はその後の就職活動に向けたトレーニングの機会にもなっています。

スタッフを担当した学生は,大人数で目的を達成するためにコミュニケーションや状況に応じて問題を解決・対応する力がいかに必要であるかを実感できます。さらにゲーム業界の熱量に触れつつ貢献でき,業界イベントに参加する良さも理解できますので,スタッフ経験をきっかけにゲームジャムや勉強会等に参加する学生も多くいます。そのため,特に入学したばかりの新入生にとって良い機会となっています。

スタッフ担当を重ねた上回生は,特定の企業ブースのアテンドをしたり,担当チームやエリアのリーダー,さらにチーム全体をまとめる役割も担当したりしています。それをきっかけにイベント後も接触したクリエイターとの交流が続くケースも少なくありません。

このように本学院にとってBitSummitは,学生が学びと刺激,ゲーム制作の機会と意欲が得られる重要なイベントとなっています。
これからもKCGは業界が求める人材育成に取り組みながら,BitSummitをはじめとするイベント開催への協力等を通じて,業界に貢献できるよう取り組んでまいります。

BitSummitならびにKCGブースにご来場いただいた皆様,そして実行委員の皆様,誠にありがとうございました。