京都コンピュータ学院(KCG)は2021年12月15日,アマゾンウェブサービスジャパン株式会社(AWSジャパン)に勤務する卒業生の前田駿介さんを講師に迎え,オンライン特別セミナーを開催しました。前田さんは,これまでエンジニアとして携わってきた開発経験,KCG在学中に取り組んだことなどについて触れたうえで,働き始めてからは英語の重要性をより実感する場面が多かったこと,長くこの業界で働くために自身のどのようなスキルを伸ばすかをしっかりと考えて実践してきたことを学生たちに語り掛けました。セミナーでは,前田さん自らが数十年後を見据えたビジョンを描き,それを実現させようと行動している姿が感じられ,学生たちは強く刺激を受けたようでした。
前田さんはKCGコンピュータサイエンス学系情報科学科を卒業後,AWSジャパンにてテクニカルトレーナーを経て,ソリューションアーキテクトを担当されています。在学中はKCG AWARDS学生作品発表会で最優秀賞を獲得し,KCG AWARDS 2021では審査員も務めてくださいました。前田さんが勤務しているAWSは世界トップシェアのクラウドプラットフォームです。コンピューティング,ストレージ,データベースなどのインフラストラクチャテクノロジーから機械学習,AI,データレイクと分析,IoTなど最新テクノロジーに至る多くのサービスを提供しています。
セミナーで前田さんはまず,AWSも該当する「クラウドサービス」について解説。ショッピングサイト「Amazon.com」のブラックフライデーやクリスマスのように,一時的にアクセスが極端に集中するケースがあった場合,仮にAWSなどのクラウドサービスを利用せず,オンプレミス(企業独自に運用するデータセンター)でそのアクセス集中に備えると,サーバ購入から動作まで数週間~数カ月必要で,さらにピーク時以外は過剰な設備となるなどの課題が発生すると指摘。必要なタイミングでリソースが利用できるクラウドサービスが,それらの課題を解決するのにどのように役立っているかなど,丁寧に説明しました。
AWSが提供する200を超える幅広いサービスのうち,90%が顧客からの要望をもとに開発,残り10%も顧客の潜在的な要望を汲み取ったということです。セミナー参加者より,多くのクラウドプラットフォームがある中,AWSが世界トップシェアとなっている要因について質問があり,前田さんは,何かしたいと思ったときに,そのほとんどまたはすべてが揃っているこのサービスの充実度が重要な点となっていると答えられました。
前田さんは現在テレワークが中心とのことですが,必要に応じて利用するAWSジャパンのオフィスについて紹介されました。広いオフィス内にはさまざまなコンセプトの部屋と空間が点在し,さらにボルダリングの壁まであるとのことで,「将来,こういうオフィスでのびのびと働いてみたい」と,学生たちにとても魅力的に映った様子でした。
AWSジャパン オフィス映像:AWS Japan Unveils a New Office & AWS Loft Tokyo
https://www.youtube.com/watch?v=CbplYx4w5uQ
続いて,これまでの開発経験や,KCG在学中のインターンシップやアルバイト,開発関係のコミュニティへの参加などを詳しく紹介しました。学生時代の活動について学生から質問が次々と出され,一つずつ丁寧に答えていただきました。学生にとって目標とする業界・企業・職種で就職することは決して簡単ではなく,そこに入るための努力や準備を続けることが大切ですが,それ以上に「入ってからどうなりたいのか」をイメージしながら,そこに向かって日々の学習や開発に取り組むことが大事だということ。前田さんは今回のセミナーで学生たちにこう語り掛けていたのでしょう。
KCGでは現在,グローバルな視点を学生が持って,英語を使う機会を増やしていけるように,米国の姉妹校であるロチェスター工科大学(RIT)の学生とのオンライン合同イベントを2021年に実施するなど,グローバルな活動を強化しています。
今後も前田さん同様,グローバルに活躍する卒業生を多く輩出できるように取り組んでまいります。
前田さん,貴重なお話をいただきありがとうございました。