京都情報大学院大学(KCGI)は2021年11月1日(月)に創立18周年の記念日を迎え,創立記念式典をオンライン開催しました。新型コロナウイルス感染予防のため,インターネットを通じて式の模様を配信し,学生と教職員はめいめいの場所で18周年を祝うとともに,さらなる発展を誓いました。茨木俊秀KCGI学長は式辞で「KCGIは札幌サテライトと東京サテライトを開設するなど順調に発展を続け,近年は世界中から入学者を迎えグローバルな大学院としての地位を築きつつあります。学生数の増加に対応するため,現在,百万遍本校の隣接地に新校舎の建築を進めています。完成は来年8月を予定しています」と,KCGIの現状と展望を述べました。
続いてKCGI副学長,高等教育・学習革新センター長の土持ゲーリー法一教授が「オンライン授業における心得『アクティブラーニングのススメ』」と題して記念講演を行いました。土持教授は,米・カリフォルニア州立大学で学部および修士課程修了後,コロンビア大学教育大学院の修士課程および博士課程を修了,東京大学の教育学博士でもあります。弘前大学および帝京大学の教授,カナダ・ビクトリア大学や米・南フロリダ大学,名古屋大学の客員教授などを務めてきました。教育学の権威で,KCGIでは新しい教育法であるアクティブラーニング(教員による一方向的な講義形式の教育と異なる,学習者の能動的な参加を取り入れた教授・学習法)を根付かせるべく,精力的に活動しています。
土持教授は講演で,まず「新型コロナウイルス感染症の影響でオンライン授業が始まったことで『授業とは何か』が問われるようになりました。これまで教員が教壇で講義したり板書したりして,これを学生が学ぶという一方的な授業スタイルでしたが,これがコロナ禍で一転しました」と指摘。そのうえで「オンライン授業を受けるに当たっての重要な心構えは『自律的学習者』になることです。『自律的学習者』とは自ら主体的に学ぶ学習者のこと」と話し,主体的に学ぶアクティブラーニングについてディスカッションや授業時間外の学習など多くの種類があることなどを詳しく説明,「学校では『考えて』学ぶことがアクティブラーニングであるとの認識が必要」としました。そして「新型コロナウイルス感染症の影響により仕方なくオンライン授業になっていますが,オンラインでなければできない学び方もあるということを分かっていただけると思います」「オンライン授業が『自律的学習者』を育てる良い機会だとの認識・適応が学生に求められます」と講演を締めくくりました。
KCGIは,1963年5月1日に創立した日本最初のコンピュータ教育機関である京都コンピュータ学院(KCG)のパイオニア・スピリットを受け継ぎ,日本最初のIT専門職大学院として開学しました。応用情報技術研究科 ウェブビジネス技術専攻を置き,修了するとIT応用分野の最高学位である情報技術修士(専門職)が授与されます。専門分野科目群として▽ERP ▽ビジネスデータアナリティクス ▽グローバル・アントレプレナーシップ ▽ウェブシステム開発 ▽ネットワーク管理 ▽ITマンガ・アニメ ▽観光IT▽人工知能―を,産業科目群として▽フィンテック ▽農業 ▽海洋 ▽医療・健康 ▽コンテンツマーケティング ▽教育―を設置し,学生が集中して効率よく学修できるよう設計しています。入学定員は,開学当初の80名(総定員160名)から,600名(同1200名)に増員されています。ITと経営,それにコンテンツに関する知識と技術を持った優秀な人材を,国内やアジアをはじめとする世界のIT業界に送り出しています。