KCG「デジタルの日」記念講演会を開催しました

KCG「デジタルの日」記念講演会で話される一般社団法人情報処理学会歴史特別委員会委員長・発田弘様(画面右上部)
KCG「デジタルの日」記念講演会で話される一般社団法人情報処理学会歴史特別委員会委員長・発田弘様(画面右上部)

京都コンピュータ学院(KCG)・京都情報大学院大学(KCGI)・京都自動車専門学校(KCGM)を中心とするKCGグループは,新設された「デジタルの日」(10月10日〜11日)の趣旨に賛同し,初日となる2021年10月10日,グループ主催による記念講演会をオンライン開催しました。共催する一般社団法人情報処理学会(徳田英幸会長)の歴史特別委員会委員長・発田弘様が「日本のコンピュータ発展の歴史をひもとく」と題して,KCGが1963年の創立以来使用してきた機器を保存・展示しているKCG資料館の史料を紹介しつつ,わが国のコンピュータ発展の歴史について解説されました。KCG資料館は「貴重な機器を多数保存している国内屈指の施設」との理由で,同学会より2009年に「分散コンピュータ博物館」の全国第一号認定を受けました。これまでに7機種が「情報処理技術遺産」に認定され,KCG京都駅前校で展示,公開しています。

「デジタルの日」は,デジタルについて定期的に振り返り,体験し,見直すための機会として,デジタル庁が発足した今年,新設されました。「誰一人取り残さない,人に優しいデジタル化」を実現するために,産官学と個人が連携し,国民全体のための祝祭を目指しています。デジタル技術が「0」と「1」で処理されることにちなんで選ばれた10月10日・11日の両日,政府・教育機関・協賛企業がイベントを企画・実施しています。KCGグループによる今回の講演は,学生・教職員だけでなく,事前申し込みをいただいた一般の方々にも公開されました。

発田様は,日本電気,沖電気勤務の後,情報処理学会の各種委員・理事・監事・副会長を経て,2006年から歴史特別委員会委員長を務めておられます。KCGグループの校友会機関誌「アキューム」への寄稿もいただいています。

講演で発田様は「わが国におけるコンピュータの発展は1950年代から始まり,日本が世界に誇る成果もたくさんあります。発展の歴史を記録しているものの一つに情報処理学会ホームページのコンピュータ博物館があり,写真,記事が収録されているが,実物がありません。ほとんどは捨てられてこの世にないというのが実態で,かろうじて残っているものも日に日に捨てられてしまっています。本当はコンピュータの実博物館があって貴重な史料を保存できればいいが,実現は非常に難しい状況にあります。どうしようかと考えた結果が『情報処理技術遺産』と『分散コンピュータ博物館』の認定です」とこれまでの経緯を明らかにされました。そのうえで各技術遺産,各分散博物館の詳細を歴史に沿ってご説明。KCG資料館については「分散コンピュータ博物館の中で最も規模が大きく史料もたくさん保存・展示されており一番立派です。情報処理技術遺産に認定された史料もたくさんあると同時に,京都コンピュータ学院創立以来教育・実習で使ってこられたコンピュータを保存・展示しておられますので,コンピュータの歴史が実感できます」と称賛されました。

日本最初のコンピュータ教育機関であるKCGは,学生の実習に使用した歴代の汎用コンピュータ,パソコン,周辺機器などを集め1998年,学内に「KCG資料館」を開設しました。将来は「KCGコンピュータ博物館」実現を目指し,国や京都府,京都市,学会・教育界・企業などに支援と協力を呼び掛けています。

KCGグループの長谷川亘統括理事長が代表理事・筆頭副会長を務める一般社団法人日本IT団体連盟と,情報処理の学術・技術の振興と普及への寄与を目的とするわが国最大の学術団体である情報処理学会は2020年,産学協力事業に関する協定を締結しました。長谷川統括理事長が同学会理事に就任。双方は協力して新たな時代に向けたIT人材育成・技術者養成・企業内教育推進,ITを利活用しての遠隔・在宅医療推進などに努めています。

講演の動画はYouTubeでご覧いただけます。

「デジタルの日」記念講演会 – 日本のコンピュータ発展の歴史をひもとく – – YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=-pxzPBDPuZs

KCG資料館

https://www.kcg.ac.jp/museum/