京都コンピュータ学院(KCG)創立者で初代学院長の長谷川繁雄先生の命日である「閑堂忌」の7月2日,KCGグループは記念講演「長谷川繁雄初代学院長と京都大学-理念の源流を探る-」をオンラインで配信,学生・教職員はそれぞれの場所で講演に聴き入り,情報処理技術教育のパイオニアとして尽力された先生のご遺徳を偲びました。KCGグループでは毎年この日,菩提寺の百萬遍知恩寺での墓参や学内での各種記念行事を開催していますが,今年は新型コロナウイルス感染防止のため,記念講演のみサイバースペースでの実施となりました。
長谷川繁雄先生は1986年7月2日,享年56歳で逝去され,2021年は没後35年となります。「閑堂」は先生の雅号で,「世俗から離れ,瞑想にふける閑静な空間」を意味しています。
記念講演は,京都大学大学院教育学研究科准教授で京都情報大学院大学非常勤講師の田中智子先生が行いました。長谷川繁雄先生は1949年9月,新制大学1期生として京都大学に入学,長谷川靖子現学院長との出会いの場となり,KCGの源泉ともいえます。田中先生は「長谷川繁雄先生が卒業後の入学であり,お会いしたことはありません」としながら「先生の大学時代の直の後輩ということになります。(学生の)みなさんと同じぐらいのお年でおられた先生の日々を歴史的に探り,みなさんも学ぶ学校の理念の源流を探ってみたい」と,当時の京大で,敗戦後の時代背景の下,どのような文化が育まれていたかを詳しく説明し,若き日の長谷川繁雄先生の経験と,KCGの理念との関係を解説しました。
講演で田中先生は「京大とのかかわりで特徴的だと思うのが(長谷川繁雄先生や長谷川靖子現学院長が卒業後も)京大の学生,大学院生ら若い世代とつながっていたこと」とし,「京大はKCGに囲まれているなと感じます」と表現。そして「KCGは,長谷川繁雄先生が京大で得た文化というものを具体化した場,学んだことを自由に展開できる場なのだなと思います」と述べました。