京都コンピュータ学院(KCG)創立者で初代学院長の長谷川繁雄先生の命日である「閑堂忌」(7月2日)を前に,KCGグループでは2019年6月29日,菩提寺の百萬遍知恩寺での墓参やKCG京都駅前校・京都情報大学院大学(KCGI)京都駅前サテライト大ホールでの記念講話,学生有志らによる模擬店の出店など各種催しが行われました。長谷川繁雄先生は1986年7月2日,享年56歳でご逝去され,今年は没後33年となります。「閑堂」は先生の雅号で,「世俗から離れ,瞑想にふける閑静な空間」を意味しています。KCGでは毎年,この日を「閑堂忌」とし,情報処理技術教育のパイオニアとして尽力された長谷川繁雄先生のご遺徳を,学生全員と教職員が偲んでいます。
記念講話は,KCG情報科学科を卒業し現在は母校の教壇に立つ前田勉先生(OSS部長)が「長谷川繁雄先生の先見の明とパイオニア精神」と題して行いました。「長谷川繁雄先生は私にとってとても大きな存在。私の人生を決めた方でもありました」という前田先生は,「長谷川繁雄先生は夕方,授業が終わるころになると教室に入ってこられ,『コンピュータ技術を身につけて社会で活躍できる人材,高卒であっても大卒以上に活躍できる,そんな技術者を育てるためにこの学校を作ったんだ』といったことを熱心に話されていました」とお元気だったころの長谷川繁雄先生を紹介。自らについても「卒業を控えて教職員として採用のお話があったときに,ぜひここで働きたい,と思いました。何といっても長谷川繁雄先生の下で働きたい。一緒にこの学校を大きくしていきたい。そんな気持ちが強かったのです」と述懐しました。
前田先生は「長谷川繁雄先生はいつも『これからの社会を担う人材を育てる』とおっしゃっていました。ただ学校だからコンピュータの知識を教える,というのではなく,人類社会の発展に役立つ人材を送り出すという理想に基づいて学校を作られたのです」と説明。また「パソコンもインターネットもない時代に,先生はコンピュータが時代を変える力だと見抜いただけでなく,京都コンピュータ学院を創立することで,その時代の先頭に立たれたのです。この先見の明と,パイオニア精神。その結果として,京都コンピュータ学院は発展したのです」と力を込めました。
そして前田先生は「学生であるみなさんは,KCGグループのこの伝統,長谷川繁雄先生の思いを引き継ぐ方々です。長谷川繁雄先生がおっしゃったように,コンピュータは人類史を変革していく道具です。ですから,コンピュータの学校はどんどん新しく変わっていく人類史の最先端にいることになります。その主役は言うまでもなく,みなさんです。ぜひ私たちの学校の新しい動きの先頭に立って,学校の未来と,みなさん自身の将来を切り開いていただきたいと思います」と締めくくりました。
講話の前後,学生と教職員はバスで百萬遍知恩寺に移動し長谷川繁雄先生の墓に手を合わせ,先生のご冥福とKCGグループのいっそうの発展を祈りました。またKCG京都駅前校・KCGI京都駅前サテライトでは学生有志らが模擬店を出し,この日の行事に活気を添えました。模擬店では長谷川繁雄先生が好きだったアンパンなどが販売されました。