初音ミクから学ぶデジタルコンテンツの可能性 ~伊藤博之KCGI教授が特別講義~

「「初音ミクから学ぶデジタルコンテンツの可能性」と題し,クリプトン・フューチャー・メディア代表取締役の伊藤博之KCGI教授が特別講義しました。(2018年11月16日,KCG京都駅前校・KCGI京都駅前サテライト6階大ホール)
「初音ミクから学ぶデジタルコンテンツの可能性」と題しクリプトンフューチャーメディア代表取締役の伊藤博之KCGI教授が特別講義しました(2018年11月16日KCG京都駅前校KCGI京都駅前サテライト6階大ホール)

世界中で人気のボーカロイド(VOCALOID)「初音ミク」の生みの親でクリプトンフューチャーメディア株式会社(本社札幌市創立1995年)代表取締役の伊藤博之京都情報大学院大学(KCGI)教授による特別講義が2018年11月16日(金)京都コンピュータ学院(KCG)京都駅前校KCGI京都駅前サテライト6階大ホールで行われました伊藤教授は「初音ミク」誕生の経緯や成長ぶり音声技術3DCG技術への取り組み国内外での幅広い活躍について映像を交えて説明しました特別講義は英語の同時通訳とともにKCGIの京都本校 百万遍キャンパス札幌東京両サテライトなどへ最新システムを使って同時中継され受講者たちはコンテンツビジネスの第一人者の話に皆熱心に聴き入りました

「初音ミク」は2007年8月31日に誕生したバーチャルアイドルです歌詞とメロディを入力すると音声合成で歌ってくれるソフトウェアであり身長158センチ体重42キロ16歳の人気「キャラクター」でもあります国内だけでなく海外でもライブコンサートが開催され日本文化を世界に発信するクールジャパンの象徴的存在です

特別講義のタイトルは「初音ミクから学ぶデジタルコンテンツの可能性」伊藤教授はクリプトン社の仕事を紹介した上でコンピュータミュージックの基礎を解説したうえで「ボーカロイドは人間の歌声を合成するバーチャルインスツルメント(音源)ボーカロイド技術を使ってクリプトン社が製品化した歌を歌うソフトウェアが『初音ミク』なのです」と説明しました

「初音ミク」にキャラクターを付けたところ音楽だけでなく姿を創作しインターネットに投稿する人たちが現れ創作の連鎖が広がりました伊藤教授は「(初音ミクは)音声合成がメインでキャラクターはおまけみたいに考えがちですがキャラクターが付いていたおかげで創作の連鎖が巻き起こりやすかった」と説明そして創作物の権利処理のためにライセンスを公開しコンテンツ投稿サイト「ピアプロ」を開設伊藤教授は「ここに投稿された作品はサイト利用者であればほかの作品に転用しても構いませんといったルールにしました創作が生まれやすいような環境づくりをしました」と明かしました

「初音ミク」は誕生から11年クリエイターによる二次創作三次創作の結果歌や音声にとどまらずダンスや動画コスプレフィギュアなどへとその表現方法が広がりファッションやオペラロボットレーシングチームゲーム和太鼓テレビの人気アニメキャラクターなど商品化も続いています伊藤教授は「『初音ミク』の(活躍の)面積を広げ多様な分野とのコラボレーションをするようにしています」と話しました

「初音ミク」は国内外で公演イベント出演などがめじろ押しです2018年は北米大陸7都市でのイベントツアーを開催国内ではジャズや太鼓芸能集団との共演やシンフォニーコンサートなど大舞台での公演が続いています中国バージョンもあり10月には北京など3都市でコンサート2019年8月には京都南座で「超歌舞伎」の公演が予定されています

伊藤教授は2013年4月にKCGI教授に就任しました国際的な活動と技術革新が認められ2013年秋の藍綬褒章を受章していますKCGIとKCGには相互に授業を聴講できる仕組みがありますKCGIのコンテンツビジネスに関連する学生だけでなくKCGアートデザイン学系デジタルゲーム学系コンピュータサイエンス学系情報処理科IT声優コースなどコンテンツ関連を学ぶ学生たちも伊藤教授の取り組みから多くを学ぶことができます

学生たちに語り掛ける伊藤KCGI教授
学生たちに語り掛ける伊藤KCGI教授