京都情報大学院大学(KCGI)教授の山縣敬一先生が2016年3月をもって退職されることになり3月28日,京都コンピュータ学院(KCG)京都駅前校6階ホールで記念講演会に臨まれました。山縣先生は2004年のKCGI開学と同時に教授に就かれ,「計算機システム特論」や「生産システム工学特論」などの講義を担当されたほか,KCGでも計算機アーキテクチャ,数値解析などの授業を受け持たれました。
講演に先立ち,KCGIの茨木俊秀学長が山縣先生の経歴を紹介し「温和で勤勉な先生。講義・授業は丁寧で,私たちも見習わねばならない点が多かったです。KCGIの発展に尽くされ,感謝の気持ちでいっぱいです」と話しました。
山縣先生のKCGにおける最後の講演の演目は「ディジタル情報の多様性を支える原理」。情報を記録し伝えるためのこれまでの流れや,情報を送る容量を拡大するための仕組みをフーリエ(フランスの数学・物理学者),シャノン(米国の電気工学・数学者)の原理などをもとに説明し「技術的に情報量を減らす必要があるときは,それが人の求める情報の目的に沿ったものであるように。音楽なら聴覚完成を満たすもの,画像であればその美しさを失わないものであってほしい。また一方で,決して誤りが許容できない情報の場合は,多少情報量が増えて伝送速度が遅くなっても,決して誤り訂正をおろそかにしてはなりません」とまとめました。最後に学生から山縣先生に感謝の花束が贈られました。
山縣先生は京都大学工学部を卒業後,同大学の萩原宏先生(KCGI初代学長,故人)の研究室で第一期生として学ばれました。同大学院博士課程単位取得満了(数理工学専攻),大阪大学で工学博士となられ,広島大学総合科学部教授に就任(現在:広島大学名誉教授)。2004年4月からKCGI教授を務め,学生の指導にあたってこられました。社団法人情報処理学会中国支部長なども歴任されています。
山縣先生,ありがとうございました。お元気で,今後もKCGグループのご指導をよろしくお願いいたします。