京都情報大学院大学(KCGI)と京都府は2015年5月26日,けいはんな学研都市の活性化やKCGIがレジストリ(管理運営事業者)を務める地理的名称トップレベルドメイン「.kyoto」を使った京都ブランドの発信強化,人材育成やまちづくりなどを盛り込んだ,連携・協力に関する包括協定を締結いたしました。KCGIは近く,「.kyoto」の運営・研究や,eラーニングを使って世界の大学との連携教育を推進する「オープン大学京都」構築をテーマとした「サイバー京都研究所」を,府が運営する学術研究施設「けいはんなオープンイノベンションセンター」(KICK,旧:私のしごと館,精華町・木津川市)に開設。サイバー京都研究所は昨年9月,府から同センター拠点研究活用計画として第1号認定を受けています。締結にあたり山田啓二 京都府知事は「実績があり,多くの人材を育成してきた京都情報大学院大学と連携・協力することにより,京都の可能性をより多く見いだせるでしょう。今後,スマートシティ実現に向け,いろいろな面でコラボレーションしていきたい」と期待の言葉を述べました。
この日,京都府庁で調印式があり,「京都情報大学院大学はICT分野の技術・教育を専門とする教育機関として,情報に関する教育・研究・開発などにおいて京都府と連携し,各事業に積極的に取り組む」を骨子とした協定書に,KCGIの長谷川亘理事長(KCGグループ統括理事長)と山田知事がサインし,握手を交わしました。式には茨木俊秀KCGI学長,木戸出正継サイバー京都研究所所長,内藤昭三サイバー京都研究所副所長も出席しました。長谷川理事長は「.kyotoは府のご指導,ご支援をいただきながら,ようやく活用が始まろうとしています。このドメインの使用は京都にゆかりの団体,個人に限定しますので,メイド・イン・京都が一目,URLで証明されることになり,京都ブランドの発信に必ずつながるでしょう。サイバー京都研究所をけいはんな学研都市に設けて事業を展開していくほか,さまざまな面で京都府と連携・協力しながら,京都の発展に役立てるよう努めていきます」とあいさつしました。
包括協定での連携・協力事項は次の通りです。
1 けいはんな学研都市の活性化
「けいはんなオープンイノベーションセンター」に「サイバー京都研究所」を開設し,ICTを活用した次世代スマートシティの実現に貢献
2 京都ブランドの発信強化
「.kyoto」
- 2015年から運用開始される新トップレベルドメイン“.kyoto”の運営拠点を「サイバー京都研究所」内に置き,“.kyoto”を活用した新ビジネスの立ち上げ,事業拡大,情報発信強化等を研究テーマとして推進し,国内外へ京都ブランドを積極的に発信
- 地理的名称トップレベルドメイン“.kyoto”の普及を推進するとともに,“.kyoto”のユーザーに対して,ICTに関連する情報提供など社会教育の実施
文化発信
- 大学,観光,文化,和食,地域情報など京都に関する様々な情報を一本化し紹介する動画サイトづくりへの参画
- 和食文化の保護・継承・発展・発信に連携して取り組むため和食文化教育コンソーシアム(仮称)への参画
- クールジャパンに代表されるマンガ・アニメ関連,ゲーム関連のコンテンツの情報発信を行うことにより,京都を国際的にアピール
3 国際化の推進
京都留学の拡大
- ネット上にアジア地域をはじめ,日本文化や科学技術などに関心を寄せる世界の教育
- 研究機関を中心とした海外大学と連携したサイバー大学環境を構築し,リアルな留学に結びつけるための魅力あるコンテンツを企画・製作
- 京都への留学を希望する学生や現地大学等を対象とした留学前の日本語講座提供や留学後の日本語レベルアップ講座等の留学支援システムの企画
4 人材育成,まちづくり
教育コンテンツ等の研究・開発・提供
- 海の民学舎におけるICTを活用した漁業の6次産業化等に関する講座開設へ協力
- KYOTO CMEXにおいて取り組むゲームイベント等コンテンツ産業振興のための取り組みへの学生の協力
- ウェブ,コンテンツビジネス分野での就職を目指す求職者向けの情報提供や技術支援セミナーの企画・実施,eラーニング等を活用した教育コンテンツの研究開発
- 大学が有する日本最大規模のコンピュータミュージアムの一般開放を通じICT分野に対する興味の醸成
- 子供から高齢者まで幅広い年齢層に対し,ICT関連のスキルアップを目的とした講習会やセミナーなどの実施