エンターテインメント集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」のメインボーカリストで,京都情報大学院大学(KCGI)教授のニッツァ・メラスさん指導による講義「舞台芸術とIT」が昨年に続き2015年4月,KCGI京都本校や京都コンピュータ学院(KCG)鴨川校・デザインカレッジ,同・京都駅前校で開講されています。今回は米国・ハリウッドで活躍中のアーティスト キリル・コシックさんも指導に加わりました。KCG,KCGIの学生たちが,2014年10月に発表されたKCGグループの創立50周年記念CDアルバム「MUΣA」にしたためられている楽曲(ボーカル:ニッツァさん)のプロモーションビデオ作りに取り組み,エンターテインメントにおいてITがいかに活用されているかを知るとともに,世界を舞台に活躍しているスタッフから第一線の技術を学んでいます。
ニッツァさんは,ボーカリストのほか,CMやゲームキャラクターの吹き替えとしても活躍。KCG のC学系(コンピュータサイエンス学系)の情報処理科に2014年度新設したIT声優コースの授業を担当し,自らの活動の場でITが駆使されていることを紹介しながら発声法などを指導しています。同コースの学生のほか,他学科,KCGIの学生も受講し,歌やアニメのアフレコなどを通じて,音のデジタル処理に関する理解を深めてもらっています。
キリル・コシックさんはハリウッドのベテラン・アーティストです。ビジュアル・エフェクトで手掛けた作品は「300(スリーハンドレッド) 帝国の進撃」「エリジウム」「グランド・イリュージョン」,「アフター・アース」,「InAPPropriate Comedy」,「L.A. ギャングストーリー」,「飛びだす悪魔のいけにえレザーフェイス一家の逆襲」,「サイレントヒル: リベレーション3D」など多数あります。CDアルバム「MUΣA」ではアートワークも担当しました。
今回のプロモーションビデオの題材になる楽曲は「Ethereal Flight」。4月18日にはKCGI京都本校の教室にグリーンスクリーンを準備し,学生たちはカメラ班,照明班,効果班など担当を決めて撮影にあたりました。ニッツァさんが水の中をさまよいながら歌うというシーンをイメージし,絵コンテをもとにニッツァさんやキリルさんの指導を受けながら,全員一丸となって取り組みました。この映像を,KCG鴨川校(デザインカレッジ)に場所を移しビジュアル・エフェクトや合成ソフトを活用して編集,KCG京都駅前校のデジタルサウンドスタジオで,最新の設備を使ってアフレコなどの音響技術を加えながら,仕上げていくことにしています。映像発表の場を設ける予定で,日時を検討中です。
ニッツァさんは「講義は,ITを活用した舞台作りを知る機会になると思います。プロモーションビデオ作りの主役はあくまで学生のみなさん。さまざまなことに積極的にチャレンジしてほしいです」と話しています。
KCGグループの創立50周年記念CDアルバム「MUΣA」の発表と,本学が管理運営事業者(レジストリ)を務める地理的名称トップレベルドメイン「.kyoto」の運用開始を記念したコンサートは去る2014年10月10日,京都コンピュータ学院京都駅前校6階大ホールで開催されました。コンサートは,講義「舞台芸術とIT」を受けた学生たちが中心となって企画,演出し,ITによる舞台芸術創出を実現。学生たちが演出,撮影,出演,大道具や小道具の製作,編集などすべてを担当したプロモーションビデオ放映や,KCG合唱サークルU-Choirのメンバーによるコーラスがニッツァさんの歌に華を添え,訪れた大勢の人たちを魅了しました。「MUΣA」には「Se Thelo」,「Cauda Pavonis」のほか,2013年6月1日に国立京都国際会館で開催された京都コンピュータ学院(KCG)創立50周年・京都情報大学院大学(KCGI)創立10周年創立記念式典のオープニングを飾った「Jupiter」など16曲が入っています。