「.kyoto」事業開始に向けゼミ開講,新規ビジネスなど企画します

グループ校の京都情報大学院大学(KCGI)は地域トップレベルドメイン(gTLD)の「.kyoto」の管理運営事業者(レジストリ)として,京都府から唯一支持を受けました。現在,インターネット管理団体であるICANNに申請中です。正式にレジストリとなり,新規ドメインの頒布開始は2013年の6月以降を予定しています。これを受けKCGIは,6月下旬~11月の土曜日13:30~18:20に,ゼミ「ドメインビジネス研究」を開講,受講生を募集しています。京都コンピュータ学院の学生,卒業生だけでなく,ある程度のインターネットの知識があれば,他大学の学生も受講が可能です(留学生は日本語一級程度以上の言語能力が必要)。

本ゼミではまず,インターネット上のドメインに関する概念を説明し,ドメインを管理運営するレジストリとしての各種制度設計を行います。世界有数のクリーンドメインとして管理運営していくために,様々な観点から検証をします。また,普及戦略や戦術の企画立案のほか,来年の頒布開始の準備も手掛けます。さらに,ドメインの頒布に派生して様々なビジネスが生まれる可能性があることから,それら新規ベンチャービジネスの企画等も考えていきます。

参加者が自ら企画したビジネスモデルが承認された場合は,KCGIがベンチャービジネスを支援する計画です。

講師はKCGI教授,准教授,修了生らが務めます。インターネットビジネスの最前線で活躍経験があります。

講義内容は次の通りです。

講義内容
第1回
6月下旬
土曜日13:30~18:20
第1講 ①インターネットの概論,IPアドレス,ドメイン, DNS,などの説明。ルーティングとトップレベルドメインに関する概要説明。②内藤;ICANNとドメイン管理事業についての概要説明
第2講 ①ICANNの組織について(沿革、事業内容、構成とそれぞれの役割,ICANNの課題,UN、WSIS、IGFとの関係等②制度設計と派生企画の概要
◇キックオフパーティ
第2回
7月
土曜日13:30~16:40
第3講 ①「ドメイン名の取得から利用できるまで」の仕組み(レジストリ,レジストラ,レジストラント,TLDの種類とそれぞれの特徴②TLD紹介(DotAsia,DotTEL,DotCAT)
第4講 ①セカンダリドメインの活用事例や案,商標登録事業主用ドメイン。先行登録システムとオークションシステムの説明②産官学の制度設計
第3回
7月eラーニング
録画配信
第5講 「違法有害情報とは何か」と関連法(違法上と有害情報の違いとその取扱について,憲法,刑法,電気通信事業法,プロバイダー責任制限法など)
第6講 現状の日本におけるコンテンツ管理体制について(インターネットホットラインセンター,警察,EMA,IROIなど)
第7講 インターネット上におけるコンテンツの特殊な管理体制。児童ポルノブロッキング。日本:法的整理。運用体制や管理・監視の難しさ。海外事例紹介
第4回
8月
土曜日13:30~16:40
第8講 ①市町村別ストリートドメインの設計。住所コードドメインの設計,郵便コードからの自動生成
第9講 ①バーチャル京都の作成,オープンウェアとしての可能性
第5回
9月eラーニング
録画配信
第10講 ①京都ブランド認証システムの設計
第11講 ①データマイニングの概要説明
第6回
10月
土曜日13:30~16:40
第12講 契約書や広告(Web,メールなど)の作成。
第13講 派生企画に関するディスカッション
第7回
11月または1月
土曜日13:30~18:20
第14講 発表・総括
第15講 頒布開始準備
◇打ち上げパーティ
【参考】
2012/2/8「.kyoto 管理運営事業者」京都府に申請します ~公益性,ICTの専門性で適切と京情協が推挙
2012/3/1「.kyoto 管理運営事業者」に決定!~京都府が選出,ICTの専門性を生かし「京都力」発信強化