2月24日(日),京都コンピュータ学院(KCG)の卒業研究作品,京都情報大学院大学(KCGI)の課程修了プロジェクトの中から選ばれた優秀作品を発表する「KCG AWARDS 2008」を開催しました。
発表に臨んだのは,去る2月15日,16日のKCG卒業研究発表会で優秀賞に輝いた5部門から6作品と,KCGI課程修了プロジェクトの優秀賞2作品です。
エントリーされた学生たちは,訪れた高校教員,企業関係者,学生・家族,一般の方々を前に,優れたプレゼンテーション技術で,作品の紹介やその制作目的,経緯などを発表しました。審査員からの「KCGのレベルの高さをあらためて認識した」との評価もあるように,各作品とも完成度が高く,日ごろの学習,研究の成果を内外に知らしめるイベントとなりました。栄えある最優秀賞には岐部龍太さん(KCGネットワーク学科)と,宮本慎さん(KCGI応用情報技術研究科)の作品が選ばれました。
この後,発表者や審査員,教員を交えた懇親会が開かれ,作品を完成させるまでの苦労話などに花を咲かせました。
<京都コンピュータ学院 優秀賞>
▽アート・デザイン部門
「イネムリコレクション」(芸術情報学科)
授業中に居眠りする,とある大学生。彼はガスマスクの男に追われる夢を見ます。それがいつしか現実になっていく様子を,コンピュータ技術を駆使して描いたショートムービーです。
▽ビジネス部門
「オートモビルとエアラインの共通基幹システム」(情報学科)
自動車業界と航空業界が共通に使用できる企業の情報システムを開発しました。これにより,顧客管理などがひとつのシステムでできるようになり,業務の効率化を図ることができます。
▽コンピュータサイエンス部門
「イベント運営支援システム『E1C.jp』」(情報科学科)
各種イベント活動を統合的に管理する運営支援システムを開発しました。イベントの出欠管理やボウリングスコア管理,アルバム編集,割勘経理などの機能を備えています。
「OnlinePageEditor」(ネットワーク学科)
ウェブサイトを手軽に更新できるツールを作成しました。ホームページ作成ソフトやブログなどに比べて,少ない手間で更新できるのが特徴です。「Firefox」のアドオン(拡張機能)として制作しました。http://ope.blk.jp/
▽デジタルゲーム部門
「ロボバトラーズ」(メディア情報学科)
フィールドを前後左右に移動・ジャンプしながら敵と対戦する,ロボット対戦の3Dアクションゲームです。戦闘シーンを盛り上げるために,各種効果を取り入れました。
▽エンジニアリング部門
「遠隔小型電子掲示板システムの開発」(情報工学科)
LANを経由して操作できる,日本語が表示可能な遠隔小型LCD電子掲示板を開発しました。掲示板および通信インターフェイスは,回路設計,基板設計,部品実装を含めてすべて自作です。
<京都情報大学院大学 優秀賞>
「戦略的CRMMの妥当性分析による有効性の検証」
昨年度の課程修了プロジェクトにおいてeメールを用いて顧客維持を目指すマーケティングプロセスモデルが提案されました。このモデルの妥当性を,実際のアンケート調査を行い,分析・検証しました。
「ブロードバンドコンテンツのP2P配信に向けたNAT越え技術の研究」
動画などのP2P配信には,NATと呼ばれるものが障壁となります。このNATを越えて通信するための既存の技術について調査研究し,NAT越え機能を持ったアプリケーションを開発しました。
<審査員>
- 荒尾 真樹 様(オムロンソフトウェア株式会社 代表取締役社長)
- 細見 信雄 様(株式会社東レシステムセンター 常務取締役)
- 山岡 喜紹 様(日本アイ・ビー・エム株式会社 顧問)
- 岡村 勝 様(株式会社ヒューマンエンジニアリングアンドロボティクス 代表取締役)
- 林 弘 様(株式会社富士通研究所 常務取締役)
- 和田 敏裕 様(三菱電機先端技術総合研究所)
- (社名五十音順)
<審査員からのメッセージ>
- ・技術はもちろんだが,価値や目的にこだわった作品が多かった。
- ・若い人たちが果敢に挑戦する姿がみられ,日本の情報システム産業発展に心強く感じた。
- ・コンピュータ技術を生かすためにはコミュニケーション能力が必要。人間力を磨き,社会に出ての活躍を期待したい。
- ・いずれの作品も完成度が高く,感動した。今後もモノ作りにこだわっていってほしい。
- ・コンペ形式による発表会はすばらしい。今後もぜひ続けていただきたい。
- ・技術を駆使して困っている人を助けたいというような熱い心を今後も持ち続けてほしい。