最小二乗法
学習内容
与えられたn組のx,yデータから定義式に従って,最小二乗法の係数を求める。
LINEST,SLOPE,INTERSEPT などの関数を用いてこの定数を求める。
近似直線を散布図に書き加える。
近似2次回帰式を求める。
x,y,z データから多重線形回帰式を求める。
Excel の関数 例題1 次のデータは12人の学生の英語と数学の試験の点数である。
これより回帰直線を求めよ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
AVERAGE・・・平均値を求める
SLOPE・・・回帰直線の傾きc1を求める
INTERSEPT・・・回帰直線の切片c0を求める
LINEST・・・c1,c0を同時に求める
x(英語) 45 85 38 92 21 39 18 64 39 53 26 40
y(数学) 53 82 45 95 41 35 43 42 89 48 30 27
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
[解説]
求める直線の式を
y=c0 + c1x とする。c0,c1を定義式にそって計算する。x,y,x2 xyの平均はそれぞれ 46.67 , 52.5
,2678.83, 2780.67 であるから
c1=[xyの平均−(xの平均)・(yの平均)]/[x2の平均−(xの平均)2]
=0.66 ,
c0= (yの平均)−c1(xの平均) =21.70
また,LINEST
関数を使った場合の数値は赤色で,SLOPEおよび INTERSEPT 関数で求めた場合 の数値は青色で記されている。
これに基づいて Y=c0+c1x を各xについて計算しグラフ化する。
例題2 例題1と同じデータを使って2次回帰式を求めよ。
[解説] Y=c0+c1x+c2x2 の係数を求める。 x2を計算し,LINEST
関数を使えば容易に求まり,数値は赤色で記されている。
c0=49.46, c1=-0.577, c2=0.0112。
一方,正規方程式は次のようにして作られる。
y=c0+c1x+c2x2・・・(1) の両辺の和をとる。
Σy=c0Σ+c1Σx+c2Σx2 ・・・(2)
(1)の両辺にxを掛けて和をとる。
Σxy=c0Σx+c1Σx2+c2Σx3 ・・・(3)
(1)の両辺にx2を掛けて和をとる。
Σx2y=c0Σx2+c1Σx3+c2Σx4・・・(4)
(2),(3),(4) の各和の部分を計算すると,c0,c1,c2 に関する連立方程式ができ, 結局3元連立一次方程式を解く問題に帰する。 Σ=12
Σx=560 Σx2=32146 Σx3=2165138 Σx4=162636694
Σy=630 Σxy= 33368 Σx2y=2159796
を代入すると正規方程式は
12c0 + 560c1+
32146c2= 630・・・(2)
560c0 + 32146c1+ 2165138c2= 33368・・・(3)
32146c0 + 2165138c1+162636694c2=2159796・・・(4)
問題1 下表は温度をいろいろ変えて金属の電気抵抗値を測ったものである。
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温度(℃) 20 35 50 70 85 100
抵抗(Ω) 50.3 54.2 55.1 60.9 68.3 66.5
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
これより抵抗を温度の関係を表す式とグラフを求めよ。 また60℃の時の抵抗値はいくらか。
問題2 学生の身体検査表より身長と体重,身長と座高の回帰式を作れ。
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身長(cm) 162 175 155 185 177 188 170 164 168
体重(kg) 50.3 64.2 55.1 70.9 68.3 86.5 72.8 58.7 83.4
座高(cm) 78 59 50 90 85 100 80 78 82
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